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(20)スマホ機種変更のリスク [介護]

障害者にとってのスマホは、重要かつ便利なツールです。今やスマホの無い生活は成り立たないのではないでしょうか。特に、スマート機器を用いたQOL向上にはスマホは必須です。しかし、このスマホにも困った問題があります。

それは、1つのスマホを永久的に使用し続けることが不可能なことです。それは携帯電話会社(キャリア)変更、OSアップデートによるメモリ不足および動作速度低下、アプリ増加による記憶容量不足、バッテリー劣化など様々な理由でスマホを新たな機種に変更する必要が生じるのです。パソコンと同じくスマホも定期的な更新が必要なのです。今回は私自身が経験したスマホ機種変更に関わる一連の出来事を紹介します。

私は普段、パソコンからスマホを操作しています。つまり、ミラーリングアプリ(ブログ(6)を参照)を用いてパソコンモニタ上に表示させたスマホ画面を、視線入力で操作しているのです。電話を掛けるだけでなくスマートスピーカーAlexa(アレクサ)、スイッチボット、セサミスマートロック等の設定など全てのスマホ操作をパソコンから行っています。

ミラーリングアプリを使用するためにはスマホとパソコンを接続する必要があります。WiFiを用いて無線で接続することも可能ですが、操作時の遅延が大きく感じたのでUSBケーブルで常時接続していました。そして、気付いてはいたのですがパソコンのUSB端子はシャットダウン後にも給電されていました。

ここまででの記載内容からスマホに何が起こるのかを容易に予測できます。対策を取らずに放置していると、遂にその現象が出現しました。バッテリーの過充電です。

最初はスマホケースにきちっとはまっていないのかと思っていました。ケースからスマホ本体を取り外すと、押さえが利かなくなりバッテリーの膨張が一気に進みました、スマホ裏面カバーがパックリと1cm以上も開いてしまいました。スマホとしては問題なく使えましたが、バッテリーが爆発や発火しては大変です。とりあえずパソコンとは切り離し、必要な際に接続することにして今後どうするかを検討しました。使用していたスマホは次の通りです。

使用機種:HUAWEI P20 Lite(SIMフリー)
通信会社:楽天モバイル(au回線)
OS:Android 8

ネットで調べていると、バッテリー交換も数千円程度で可能なようです。
一方、これを機にスマホを新しくしてRakuten Unlimitedに乗り換えると、スマホ本体代金は実質無料となることも判りました。au回線から楽天回線になることによるサービスエリアの変更は、私の行動エリアでは問題ないことも確認しました。

どちらを選択するにしても、一度外出してそれぞれのショップに行く必要がありそうです。スマホが機能するうちに何とかしなければなりません。しかし、外出も簡単ではない障害者にとっては、なかなかハードルが高いです。

ところが楽天モバイルのWebを見ていると、店舗に行かなくてもスマホ、SIMを郵送で入手可能であるとの記載がありました。そこで、機種選定を行い、現行契約からの乗換手続きを全てWeb入力で行いました。

数日後に選定した機種(SHARP製AQUOS Sense 4 Lite)とSIMが届きました。
早速SIMをセットしてスマホが使えるようにアクティベートして完了です。思いのほか簡単でした。店舗に行っても手に取ることができない私にとってはWeb上で機種を選定する方が、多くの機種を見ることができるため便利でした。しかし、機種代を実質無料にできるのは今回選定したもの以外にはOppoの1機種しかないのは残念でした。

今回、バッテリー交換ではなく新たな楽天モバイルに乗り換える決め手となった理由は、専用アプリを使えばスマホや固定電話に発信しても通話料金が発生しないことでした。さらに、データ通信は自宅の無線LANに接続するので費用が発生しません。
すなわち、毎月のスマホ代がほとんど0円になるのです。他社キャリアでも通話料金無料はあるようですが、データ通信を使わない人にとっては割高なプランですね。尚、私は楽天モバイルの回し者ではありません。

新しい機種、プランになり、月々の支払いも非常に安価になりましたと喜んでいたのですが、そうでないこともあったのです。

今回の機種変更でスマホのOSはAndroid8.0からAndroid11に一気に上がりました。使い勝手については慣れれば解消される問題もありますが、機能的な変更についてはどうしようもありません。以下に新たに問題となったことを紹介します。

(1) Linkアプリを使うと、かかってきた電話をハンズフリーで取れない
楽天モバイルの『Linkアプリ』は、固定電話やスマホにもかけることが可能で、通話料が無料です。インターネット回線で通信しているため通信品質にバラツキがあるようですが、今のところ通話時に問題を感じたことはありません。Linkアプリが使えるように設定しておくと、掛かってきた電話もこのアプリで受けることになります。ところが、問題発生です。

ブログ(6)で紹介した機器TAXION THF-04を用いると、声で電話を取れることを紹介しました。ところが、Linkアプリで受けている電話はTAXIONが鳴動するものの声で取ることはできませんでした。これは困りました。

一方、Linkアプリを無効にするとTAXIONで取ることができました。従って、通常はLinkアプリを無効にしておき、当方から電話をかける際にのみLinkアプリを有効にすることにしました。

ただ、無効にしたLinkアプリを再度有効にしても動作しないこともありました。そのような場合には、キャッシュをクリアや再インストールで正常になります。少し手間ですが、通話無料のためです。

今回は楽天モバイルのLinkアプリで生じた問題ですが、他社キャリアのIP電話でも起こり得る可能性があります。TAXION社製品のファームウェアアップデートを期待するしか一般ユーザーにはなすすべがないのが現状だと思います。

(2) パソコンとの接続に毎回タップが必要
これはAndroidに問題があるのか、それとも今回購入したスマホ自体の不備なのか、ミラーリングアプリの問題なのかは分かりません。しかし、大変不便になりました。スマホをパソコンに接続してミラーリングアプリを起動する際、USBデバッグ設定を常に許可しているにもかかわらずスマホ画面を毎回タップする必要があるのです。このタップ操作は自分ではできないので、人にお願いするしかないのです。
この操作は1日1回で済むこともあるのですが、パソコン再起動時あるいはミラーリングアプリと競合するアプリ起動時には再びスマホ画面タップが必要になるのです。少なくともスマホ交換前には必要なかったことが、接続のたびに求められるようになったのは事実です。新しい機種になって、[開発者モード]のUSBデバッグの設定が変わってしまったようで、今のところ解決策を知りません。

(3) スマホで通話時、スピーカーに切り替えができなくなりました
ハンズフリー機器(TAXION)の位置によってはスマホのスピーカーに切り替えたいことがあります。Linkアプリではなく標準の電話アプリ使用時、スマホのスピーカーに切り替える際に承認タップが必要になったのです。ミラーリングアプリを用いてパソコン画面上で操作しようとするのですが、承認ボタンの表示が非常に短時間のため視線入力によるパソコン操作では間に合わないのです。この承認の手順が増えたのはAndroidの問題で、アップデートしてからこの症状が出現するようになりました。
尚、Linkアプリではこのような問題はなく、スピーカーに切り替え可能でした。ハンズフリーでは声で電話を取ることができないLinkアプリですが、この操作には優位性がありました。

(4) AQUOS Sense 4 Liteで不便に感じたこと
慣れもあるかもしれませんが、いろいろと不便になったことがあります。Androidの問題なのかそれともこの機種固有なのかは切り分けられていませんが、列挙します。

・着信とメール等の通知音量の設定が同じで、個別に設定できない。
・着信音に通常の電話音(ベル音)がない。
・AQUOS簡単ホーム画面でのアイコン並べ替え等を視線入力で行うのが困難。
(アイコンを長押しして選択後、短時間内にドラッグ&ドロップ操作するのが視線入力では困難)
・タップして選択し、スワイプする操作が増えた。
(視線入力ではタップ操作で完結している方が使いやすい)

今回、スマホ交換する際に生じた問題を紹介しました。OSバージョンが上がるとセキュリティ対策が向上したり新しい機能が追加されたりと良いことが多いのかもしれませんが、障害者にとってはむしろ不便になることもあるのです。

スマホから操作するアプリは、ミラーリングアプリ、Alexa、セサミスマートロック、SwitchBot、スマートプラグ等増加する一方です。これらアプリもAndroidバージョンが古いと対応しなくなります。結局、いずれはスマホOSのバージョンアップも不可避なのです。ということなので、新しい機種への変更は妥当な判断だったと思います。
障害者にとっては、次々に生じる問題を乗り越える力を養うしかありません。


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