(5)褥瘡を抑えるクッションはどれだ? [介護]
足が動かず自力で立ち上がれない障害者にとって、クッション(座布団)は重要です。自力で動けず、さらに臀部の筋肉も痩せてきているALS患者にとっては、長時間椅子に座っていること自体が辛いです。その苦痛を和らげてくれるのがクッションです。クッションも介護保険でレンタル可能なものから、Amazonなどのネット通販で入手できるものまで様々な種類のものがあり、どれを選べばよいのか判らずに最初は試行錯誤することになります。今回は私(体重50kg、男性)が使ったクッションについて、使用の感想を紹介します。
クッションを使用するのは主に昇降椅子です。在宅時はトイレと風呂、睡眠以外は座っているので10時間以上も座っていることになります。 クッションのヘビーユーザーと言えます。
1)円座 ホームセンターで購入した低反発型 1500円程度
連続使用は1時間が限度かと思います。他のクッションを使用した後に使うと、形状が特徴的なため臀部の痛みは短時間ではあるが緩和されます。自分で立ち上がり可能な方なら使えると思います。
2)ジェルクッション(ハニカム構造)
テレビの通販でよく見かけるタイプです。私はAmazonで2000円程度のものを購入しました。写真ではむき出しですが実際の使用時は付属のカバーをつけています。最初は快適に感じて結構長時間使っていましたが、臀部の皮がめくれました。褥瘡です。処方してもらった保護テープを臀部褥瘡箇所に貼ると痛みは緩和され、使用に耐えました。ハニカム構造のエッジ部分が長時間押し当てられているのが原因であり、回避できません。保護テープ無しでは2時間が限度かと思います。今はもう使用していません。お勧めしません。長時間使用すると、写真からも分かりますがハニカム構造が崩れて色が変わって見えます。
3)メッシュ型エアークッション
Amazonで1200円程度で購入しました。このクッションはカバー無しでも表面は滑りにくく、非常に快適で褥瘡はできなくなりました。しかし、約1年の使用で穴があいたのか空気が抜けてしまいました。その後は入荷予定が無いらしく入手出来ませんでした。良かっただけに残念です。
その代わりに購入したのが、上の写真に示す同じメッシュ形状タイプです。青い表面はナイロン地で滑り易く、そのまま使うと滑るために座りが浅くなる欠点が判明しましたが、100均で滑り止め(緑色)を購入してクッションをサンドイッチし、さらに薄いフリース地のタオルケット(こげ茶色)をかぶせると非常に快適に使えます。褥瘡はできていません。結構お勧めです。
4)ブロック型エアークッション
Amazonで2500円程度で購入しました。これもそのままでは表面が滑るので、百均で購入した滑り止め(グレー)で挟んで使わなくなったジェルクッションのカバーに入れて使用しています。3)に比べると厚みがあり、使用感としては悪くはなく良好です。ただ、空気を少なめにしても前後左右への体の揺れがそれなりにあるので、椅子から転げ落ちないように注意が必要です。エアークッションは1ヶ所が凹むと他の部分が膨らむので、態勢を立て直すのは困難ですので注意してください。
これはケアショップからレンタルしたROHOクッションです。Amazonで購入するとカバー込みで60000円位するようです。前述の同型クッションに比べて厚くブロックの数が多いですが、座り心地は大差ありません。横幅が少し狭いのか、クッションから脚が左右に外れ易いです。エアークッションから脚が外れてしまうと自分では元に戻すこと不可能なので少し大きめのサイズをお勧めします。
【結論】
4タイプのクッションを使った結果、メッシュ型およびブロック型のエアークッションが臀部の痛み抑制に効果的であることが分かった。ブロック型はメッシュ型よりも厚みがあり、体の揺れが大きくなる事に注意が必要である。また、脚がクッションから外れる事が無いように大きめをお勧めします。
表面が滑り易い材質のクッションは、そのままで使用すると滑って座りが浅くなる。その回避にはすべり止めを上下に配置してクッションカバー内に入れるとよい。
今回の評価ではジェル型や低反発円座は連続2時間程度の使用で臀部の痛みをが強くなる。そのため、自力で除圧できない場合は使用しない方が無難である。
ここで紹介した以外にも様々なクッションがあるかと思いますが、基本はこの4種になるのではないかと思います。使用される方の体重、体格によっては最適クッションサイズが異なるかもしれませんが、本質は変わらないはずです。また、エアークッションと言えども4時間も連続で使用すると臀部が痛くなります。私は数時間ごとにメッシュ型とブロック型を交換する運用で褥瘡ができなくなりました。
クッション選定の参考になれば幸いです。
<公開中ブログ リスト>
文字をクリックすればそのブログに移動します。
(1)好きな時に声で寝返りを打つことができます
(2)好きな時に声で寝返りを打つことができます②
(3)トイレでのスマートスピーカー活用
(4)玄関ドアを声で解錠
(5)褥瘡を抑えるクッションはどれだ?
(6)完全ハンズフリーで電話を使う
(7)緊急時の備えにスマート機器を活用
(8)パソコンの視線入力を試してみた
(9)スマート機器に関する基礎知識
(10)Tobii EyeTracker 5が使えなくなった!
(11)電動昇降椅子を声で操作
(12)電動昇降椅子を声で操作(工作編)
(13)エアウィーヴ 車いすクッションを使ってみた
(14)被介助者のストレス
(15)増えすぎたスマート機器とWiFi接続
(16) Eye Tracker 4C を使った視線入力
(17)ノープレッシャークッションⅡを試してみた
(18)移乗機
(19)クッションに代わる痛み低減装置
(20)スマホ機種変更のリスク
(21)声でキーボード操作
(22)ALS患者が胃カメラ飲んできた。
(23)ALS患者が外出して参議院選挙に行ってきた。
(24)座位保持が困難でもトイレ介助は一人で大丈夫!
(25)巻き爪対策製品を試してみた!
(26)スマートスピーカーを入院生活に活用 ~ナースコールを声で押す~
クッションを使用するのは主に昇降椅子です。在宅時はトイレと風呂、睡眠以外は座っているので10時間以上も座っていることになります。 クッションのヘビーユーザーと言えます。
1)円座 ホームセンターで購入した低反発型 1500円程度
連続使用は1時間が限度かと思います。他のクッションを使用した後に使うと、形状が特徴的なため臀部の痛みは短時間ではあるが緩和されます。自分で立ち上がり可能な方なら使えると思います。
2)ジェルクッション(ハニカム構造)
テレビの通販でよく見かけるタイプです。私はAmazonで2000円程度のものを購入しました。写真ではむき出しですが実際の使用時は付属のカバーをつけています。最初は快適に感じて結構長時間使っていましたが、臀部の皮がめくれました。褥瘡です。処方してもらった保護テープを臀部褥瘡箇所に貼ると痛みは緩和され、使用に耐えました。ハニカム構造のエッジ部分が長時間押し当てられているのが原因であり、回避できません。保護テープ無しでは2時間が限度かと思います。今はもう使用していません。お勧めしません。長時間使用すると、写真からも分かりますがハニカム構造が崩れて色が変わって見えます。
3)メッシュ型エアークッション
Amazonで1200円程度で購入しました。このクッションはカバー無しでも表面は滑りにくく、非常に快適で褥瘡はできなくなりました。しかし、約1年の使用で穴があいたのか空気が抜けてしまいました。その後は入荷予定が無いらしく入手出来ませんでした。良かっただけに残念です。
その代わりに購入したのが、上の写真に示す同じメッシュ形状タイプです。青い表面はナイロン地で滑り易く、そのまま使うと滑るために座りが浅くなる欠点が判明しましたが、100均で滑り止め(緑色)を購入してクッションをサンドイッチし、さらに薄いフリース地のタオルケット(こげ茶色)をかぶせると非常に快適に使えます。褥瘡はできていません。結構お勧めです。
4)ブロック型エアークッション
Amazonで2500円程度で購入しました。これもそのままでは表面が滑るので、百均で購入した滑り止め(グレー)で挟んで使わなくなったジェルクッションのカバーに入れて使用しています。3)に比べると厚みがあり、使用感としては悪くはなく良好です。ただ、空気を少なめにしても前後左右への体の揺れがそれなりにあるので、椅子から転げ落ちないように注意が必要です。エアークッションは1ヶ所が凹むと他の部分が膨らむので、態勢を立て直すのは困難ですので注意してください。
これはケアショップからレンタルしたROHOクッションです。Amazonで購入するとカバー込みで60000円位するようです。前述の同型クッションに比べて厚くブロックの数が多いですが、座り心地は大差ありません。横幅が少し狭いのか、クッションから脚が左右に外れ易いです。エアークッションから脚が外れてしまうと自分では元に戻すこと不可能なので少し大きめのサイズをお勧めします。
【結論】
4タイプのクッションを使った結果、メッシュ型およびブロック型のエアークッションが臀部の痛み抑制に効果的であることが分かった。ブロック型はメッシュ型よりも厚みがあり、体の揺れが大きくなる事に注意が必要である。また、脚がクッションから外れる事が無いように大きめをお勧めします。
表面が滑り易い材質のクッションは、そのままで使用すると滑って座りが浅くなる。その回避にはすべり止めを上下に配置してクッションカバー内に入れるとよい。
今回の評価ではジェル型や低反発円座は連続2時間程度の使用で臀部の痛みをが強くなる。そのため、自力で除圧できない場合は使用しない方が無難である。
ここで紹介した以外にも様々なクッションがあるかと思いますが、基本はこの4種になるのではないかと思います。使用される方の体重、体格によっては最適クッションサイズが異なるかもしれませんが、本質は変わらないはずです。また、エアークッションと言えども4時間も連続で使用すると臀部が痛くなります。私は数時間ごとにメッシュ型とブロック型を交換する運用で褥瘡ができなくなりました。
クッション選定の参考になれば幸いです。
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(1)好きな時に声で寝返りを打つことができます
(2)好きな時に声で寝返りを打つことができます②
(3)トイレでのスマートスピーカー活用
(4)玄関ドアを声で解錠
(5)褥瘡を抑えるクッションはどれだ?
(6)完全ハンズフリーで電話を使う
(7)緊急時の備えにスマート機器を活用
(8)パソコンの視線入力を試してみた
(9)スマート機器に関する基礎知識
(10)Tobii EyeTracker 5が使えなくなった!
(11)電動昇降椅子を声で操作
(12)電動昇降椅子を声で操作(工作編)
(13)エアウィーヴ 車いすクッションを使ってみた
(14)被介助者のストレス
(15)増えすぎたスマート機器とWiFi接続
(16) Eye Tracker 4C を使った視線入力
(17)ノープレッシャークッションⅡを試してみた
(18)移乗機
(19)クッションに代わる痛み低減装置
(20)スマホ機種変更のリスク
(21)声でキーボード操作
(22)ALS患者が胃カメラ飲んできた。
(23)ALS患者が外出して参議院選挙に行ってきた。
(24)座位保持が困難でもトイレ介助は一人で大丈夫!
(25)巻き爪対策製品を試してみた!
(26)スマートスピーカーを入院生活に活用 ~ナースコールを声で押す~
ALSの夫が在宅ワーク時のお尻の痛みに悩んでいるので、参考になります。メッシュ型のエアークッションを買ってみます。よい情報有難うございます!!
by dynababy (2022-04-29 16:32)
コメントありがとうございます。
私の場合、症状が進むとメッシュ型でも痛みがひどくなりました。そこで現在は坐骨が入る円座を少し加工して使っています。https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07Z39WPP7/ref=ppx_yo_dt_b_search_asin_title?ie=UTF8&psc=1
これも使用者の体格によるので、試していただいて判断していただくしかありません。
by Chim (2022-04-30 14:41)